しばらくぶりの読書感想、最近読書が進んでない。
本を読む時間が会社のお昼休みだけという状況なので、まぁ仕方ない。
『七夜物語』川上弘美
酒井駒子さんの表紙絵でとりあえず手に取った本。
ど定番設定のファンタジー作品、少年少女がすぐそこにある異世界に入り込んでしまう冒険譚、そして子どもたちは成長していく。
本当に王道のストーリー展開を押さえつつよく書いているなぁという感想。
この定型で気になるのが、異世界への入り口はどこか?というところ。
押し入れだったり、洋服ダンスの中だったり心をくすぐる場所にある秘密の入り口、このお話では学校でした。
良く作ってあるなぁと思うけど、面白い!先が読みたい!という気持ちには残念ながらならなかったので、上だけで終了。全部で3冊、上中下とあります。
『鍵のない夢を見る』 辻村 深月
彼氏が欲しい、母になりたい、普通の幸せが欲しい、5人の女たちの夢と転落
辻村深月も好きな作家なので、ほとんど読んでいる。
独特のやるせない感じを漂わせる文章、普通の人の普通の生活の話なはずが、悲しくて恐ろしい事件が5人の女それぞれに起こる。
どの話もリアルで自分とは全然違う生活環境なのに当事者の気持ちを痛いほど感じられる。育児ノイローゼの細かな描写を読んで、こういう感じなのかと得心。
やっぱり辻村深月はうまいですねぇ。
『オーパーツ 死を招く至宝』蒼井碧
この帯見たらとりあえず買います。「このミス」大賞作品は今まで面白かったのにあれ?
ライトノベルかコミックのノベライズのようでした。
『代償』 伊岡 瞬
「この本を読み逃した代償は大きい!」「全国の書店で続々1位」「40万部突破のベストセラーミステリー」
思わず手に取らずにはいられない言葉が次々に並んでいて、そこまで言うならと読んでみた。
最初しばらくはあまりの胸糞悪さに読むのを止めようかとも思ったが、展開が早く次が気になってグイグイ引き込まれた。
トータル面白かったとは言えるけど、読後感は全く良くない。
『蜜蜂と遠雷』 恩田陸
そしてコンクールは終わる。音楽の約束を、音楽で果たして。
恩田陸は大好きでほとんど読んでいる。その中でこの作品は本当に本当に断トツに最高に面白い、素晴らしい作品でした。
私は文庫化するまで本は買わないのでハードカバーの新刊情報にさほど興味が無く、この本も恩田陸だから無条件に購入。
「直木賞と本屋大賞ダブル受賞」を見て、あぁそうだったんだと思って期待が高まったけど、読み始めるとあまりの面白さに「なんだこれ?!すごい面白い!!」とページをめくる手を止められなくなりました。
こんなにも読むことを止められなくなる作品は本当に久しぶりで、家事もそこそこ貪るように読みました。
恩田陸って本当にすごい作家だったんだ、こんなすごい作品を書ける人なんだと読んだ後は幸せな脱力感。
私はピアノを弾けないけど、読んでる間脳内でピアノの調べが響いてました。タイトルを読んでも曲が浮かばないのが残念でユーチューブで探して曲を流しながら読んだりしました。
これは音楽と共に読みたくなるなと思ったら、「蜜蜂と遠雷」登場曲のCDが発売されてるんですね、やっぱりみんな感じることは同じなのね。
これはもしや実写化されるのでは?と思ったら案の定すでに映画化が決まっていて、今年の10月公開だそうです。
となると気になるのはキャスト、と思ってチェックしたけど・・・・・。う~ん残念。納得できるのは高島明石役の松坂桃李くらいでしょうか、風間塵もまぁいいかな?まぁ実写化ってそんなもんですよね。
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