8月の読書感想 上橋菜穂子「鹿の王」続編 宮部みゆき三島屋シリーズ完結

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読書・映画

しばらく書いて無かった読書感想。今回は大好きな上橋菜穂子の続編、そして宮部みゆきのシリーズ完結と楽しみな本が続きました。

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『羊と鋼の森』宮下奈都

第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!
ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

今更ですが読みました。大人気小説で、2018年に豪華俳優陣で実写映画化もされています。

観てないけど、主人公の調律師に山崎賢人、ピアニストの双子を実姉妹の上白石萌音、萌歌というキャスティングは原作ファンも納得だと思う。

若きピアノの調律師が主人公なんだけど、どうして「羊」なんだろうと思ったらピアノの中にたくさん入っているハンマーのフェルトはそういえば羊毛でできているんだった。

物語は静かに展開してゆき、少年は少しづつ成長していく。音を描いた作品なのに、静謐で澄んでいる。

読んでいる私に調律師の世界を少しのぞかせてくれる、音楽と自然の存在の大きさに気が遠くなりそうになりながらも、そこに静かにある一本の道に気づかせてくれる。

この作品を読むとどうしても恩田陸の傑作「蜜蜂と遠雷」を連想する、ぜひ両方読みたい、読んで欲しいピアノセット小説。

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『禁じられた楽園』恩田陸

恩田陸が贈る幻想ホラー!
若き天才美術家の仕掛けた罠
この世で一番怖いのは狂気よりも正気だ

恩田陸は好きな作家さんの一人、新作が出たらとりあえず買っとく。しかし当たりはずれがあるんだよねー。

こちらの作品は2004年に発表されて2007年に文庫化されたものを、2020年3月に新装版で再出版されたもの。

恩田陸は「常野シリーズ」みたいに不思議ファンタジーみたいな作品もあるけど、これはダークファンタジー?という感じ。

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『青白く輝く月を見たか?』『ペガサスの解は虚栄か?』森博嗣

森博嗣の「Wシリーズ」6作目と7作目
オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。

Wシリーズはいまひとつ気分が乗らなくて読み進めていなかったけど、4作目くらいからがぜん面白くなってきて、ガツガツ読み始めた。

「女王シリーズ」との関連がどんどん明確になってきて、「あっこれは!」と気づくのが楽しい。

Wシリーズを読むには女王シリーズを傍らに置きつつ、読み返しつつ読み進める。この際なので、一番初めの「犀川&萌絵シリーズ」の「すべてがFになる」からの年表を作ってしまった。

wシリーズから寝かせておいた謎が少しずつ紐解かれるのがこの先も楽しみ。

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『サロメ』原田マハ

「サロメ」の挿絵で一躍有名になった病弱な青年・ビアズリーを取り巻く物語。
退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。

オスカー・ワイルドは言わずもがな超有名な劇作家ですが、正直私はよく知らない。「サロメ」も有名だけど、戯曲のストーリーはよく知らない、西洋画のモチーフで知っているくらい。

でも、本屋さんでこの表紙を見たら思わず手に取らずにいられなかった。黒だけでかかれた印象的な禍々しい絵。

物語はこの挿絵を描いた画家の半生を、女優でもあったその姉の目線で語られていく。

史実知らなくても楽しめるかなと心配だったけど、楽しめました。そして、知らなかったワイルドとビアズリーの人となりを知ることもできて勉強になりました。

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『あやかし草紙』宮部みゆき

三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒やすため、変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。
怖いけれども癖になる。三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!

宮部みゆきの時代物は、切ない人情ストーリーがリズムよく描かれていてやるせなく小気味よい。

中でも好きな「三島屋シリーズ」がついに完結してしまう、しかもこの表紙は!おちかがついに結婚しちゃうのね、お相手はやっぱりあの人だよね。

おちかが幸せになるのは嬉しいけど、シリーズが終わってしまうのは残念やな~と思ったけど、よく見たら「第一期、完結」ということは!

第二期が始まるってことよね~よかった~第二期の聞き手はきっとあのお方やな。

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『鹿の王 水底の橋』上橋菜穂子

感染症大流行の危機を描いた『鹿の王』その後の物語。
清心教医術の発祥の地を訪れた天才医術師・ホッサルが思いがけぬ成り行きから、東乎瑠帝国の次期皇帝を巡る争いに巻き込まれてしまう。

『鹿の王』の続編を書いてくれるなんて!嬉しい、ありがとうございます。

上橋菜穂子の作品にはそれぞれ確固とした世界が存在していて、物語が終わったからってその世界は無くならない。

今回、その世界をまた少し覗かせてくれた。今度はホッサルが主人公でヴァンは登場しない、あと動物も登場しないのは少しさみしいかな。

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『医学のたまご』海堂尊

中学生のぼくが、東城大の医学生に!?
天才少年(?)カオルが、小さな勇気を胸に大学病院に潜む悪に立ち向かう

海堂尊といえば『チームバチスタの栄光』がなんと言っても有名。バチスタシリーズとは打って変わって、ほんわかした感じのこの作品が同じく海堂尊の書く新たな医学ミステリーシリーズの1作目。

ヨシタケシンスケさんのイラストもとてもかわいらしくていい。海堂さんは中高生向けに書いたということなので、文章はわかりやすく楽しくサラサラ読める。そして、大人が読んでも楽しめる。

医学部の中ってこんな感じなんだーと本物のお医者さんである海堂さんが書いているからこそ納得できる。

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