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11月の読書感想 宮部みゆき「三島屋」シリーズ

読書・映画

最近読んだ本の感想です。

私の好きな作家の1人、宮部みゆきの作品は文庫の新刊が出たらとりあえず買う。

「おそろし」から始まる三島屋シリーズは「おそろし」だけ読んで、すっかり読んだつもりになっていたけど、その後続編が3冊出てたのをうかつにも見逃してた。

今回「おそろし」も軽く読み返してシリーズ4冊まとめ読みしました。

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「おそろし」宮部みゆき

17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに心を閉ざした。
今は江戸で袋物屋・三島屋を営む叔父夫婦の元で暮らしている。
三島屋を訪れる人々の不思議話が、おちかの心を溶かし始める。百物語、開幕! 

宮部みゆきはもう私がどうこう言う必要ない大御所の人気作家さんですが、宮部みゆきの時代物がこれまたいいんですよねー。

三島屋シリーズは不思議な話が次々と語られて、どの話も人間の生々しい感情がじわりじわりと感じられる心に残る話ばかり。

また、聞き手が17歳の美少女というところが心憎い。

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「あんじゅう」宮部みゆき

ある日おちかは、空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。
人を恋いながら、人のそばでは生きられない<くろすけ>とは……。 宮部みゆきの江戸怪奇譚連作集「三島屋変調百物語」第2弾

「くろすけ」の話は本当に切なかった、どうにかしてあげたかった。くろすけー。

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「泣き童子」宮部みゆき

おちか一人が聞いては聞き捨てる、変わり百物語が始まって一年。
三島屋の黒白の間にやってきたのは、死人のような顔色をしている奇妙な客だった。彼は虫の息の状態で、おちかにある幼子の話を語るのだが……

タイトルにもなっている「泣き童子」は、おちかが聞いた話の中である意味一番おそろしい話だったんじゃないかな。

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「三鬼」宮部みゆき

聞き役に従兄の富次郎も加わり、怪異を聞き積んでいく中でおちかにも新たな出逢いと別れがあり―恐ろしいけど面白い三島屋シリーズ第四弾! 

今回の話には人ならざる者も登場して、切なさが少し少な目、楽しく読むことができた。

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「慈雨」柚月 裕子

極上のミステリーにして慟哭の人間ドラマ!!
引退し、お遍路を旅する元警官が少女誘拐事件の発生を知る。難航する捜査、渦巻く悔恨と葛藤。
時間と空間を超えたドラマは、驚きと感動の結末へ──!

定年退職した刑事が四国八十八か所を巡る話から始まり、四国のお寺を巡る刑事と東京で事件を追う刑事のそれぞれの状況が描かれつつ事件の解決へと進んでいく。

なじみのある四国のお寺が登場するのが嬉しく、私も老後にゆっくりと八十八か所巡りたいなと思った。

それとは別にストーリーは、切ない。ほんとに切ない。これはいつか実写化される予感。

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「ショートショートの宝箱II」

奇想天外な発想。ドキドキする展開。絶妙なオチ。ブラックな笑いや心あたたまる結末―。
小さな物語たちには無限の可能性が秘められています。どうぞ、新たな扉を開けてください。

星新一から始まりショートショート好きな私、これを見つけて買ってみました。

内容は本当に短い作品がずらりと30話も掲載されています。書いているのは有名作家さんではないので、知ってる人はいないけどそれなりに楽しめました。自分もちゃんと書いてみようかなと思わせてくれる作品。

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「鍵のない夢を見る」辻村深月

普通の町に生きるありふれた人々に、ふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる五篇。
現代の地方の閉塞感を背景に、五人の女がささやかな夢を叶える鍵を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す。著者の巧みな筆が光る傑作。第147回直木賞受賞作!

辻村深月は本当にこういう話を書くと天下一品ですね。人ってどうしてこうなんだろう、何が間違ってたんだろう、果たして間違っていたのだろうか。

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「十二人の死にたい子どもたち」冲方 丁

安楽死をするために廃病院に集まった十二人の少年少女。そこには謎の十三人目の死体があった――。
彼らは、このまま安楽死を実行できるのか。

この作品は本よりも実写映画化された方で有名なのでは?すごく豪華なキャストの映画だったし、今度DVD借りてみようかな。

私は冲方 丁(うぶかたとう)が結構好きです。でも、私が読んでたのは「マルドゥック・スクランブル」や「ばいばい、アース」なので、この前読んだ「はなとゆめ」とかは変わったなーと思ったけど、この作品はちょっと昔のうぶかたの気配が少しした。

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「消滅 VANISHING POINT (上) (下)」恩田陸

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。時間だけが経過し焦燥する彼ら。大規模な通信障害で機器は使用不能。その中の一人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言った。女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に戦きながら推理を開始する。

「蜜蜂と遠雷」が衝撃的におもしろかった恩田陸、その高揚のまま読み始めたけど、こちらは普通の感じ。

前から思ってたけど、恩田陸は作品ごとのおもしろさの差が激しい。この作品はおもしろくなくはないけど内容は薄め。「蜜蜂と遠雷」が素晴らしすぎたからギャップを感じてしまうっていうのもある。

≪蜜蜂と遠雷≫

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「まことの華姫」畠中恵

江戸は両国の見世物小屋では、“まことの華姫”が真実を語る―ともっぱらの噂。
心の中にやむにやまれぬ思いを抱えた人々が、今日も真実を求めてお華の語りに耳をすます。

≪まことの華姫≫

畠中恵の新たな江戸ものシリーズが開始、嬉しい。

登場人物が愛らしくて自分も友達として一緒に謎解きしているような気分になれる、畠中ワールド。「しゃばけ」シリーズも大好きだけど、華やかな姫人形がこれからも活躍するのが楽しみです。

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