今更『火花』感想 映画観て→原作読む

日々の事

先日映画『火花』を観に行った。

菅田君も又吉も好きだから。でも原作は読んでないんだよね。テレビドラマ版はチラッと観たけど途中で止めちゃったので映画で最後まできちんと観るぞと。

 

私は文庫化しないと読まないので、世の中が芥川賞受賞で大騒ぎしているときは読む予定は無く、文庫化された頃にはドラマ化もされて映画化も決まっていたので読まなくてもいいなかという気分になっていた。

 

ドラマは人気の俳優さん起用して、おもしろく作られていたけど、又吉の書いた原作は読みにくそうだしなと勝手に思ってた。

だって、太宰治を敬愛している又吉が書いた文章でしょ?難解なんだろうな~って。

 

今回の映画化で主役は菅田将暉、芥川賞×菅田将暉というと思い出すのは『共喰い』

田中慎弥の芥川賞受賞作が2013年に菅田将暉主演で映画化された。

『共喰い』は原作→映画で読んでから観たが、どちらもどうしようもなく暗かった

世の中の評価はどちらも高いけど、私は好きではない。

菅田君はこの作品で日本アカデミー新人賞を受賞して、演技派の仲間入りした感じ。

映画を見たとき、「うわ~このコよくこんな役やったなぁ」と思って観ていた。

なんか、『うなぎ』や『青春の門』(大竹しのぶが出てたやつね)を思い出す、泥臭い青臭い血なまぐさい映画。

『共喰い』を思い出すと鼻先に川のよどんだ泥の匂いがする気がする。それだけの強い印象を残す映画だったってことではあるね。

 

で、『火花』の映画。想像以上によかった。

菅田君やっぱうまいんだね。最後の漫才のシーンは涙がボロボロこぼれて仕方なかった。

あと、相方を演じた2丁拳銃の川谷が思いのほか良かった。何も言わずに佇んでるだけで売れない芸人の悲壮感が滲み出してた、いい顔してた。(いやまぁそりゃ現実だからかもしれんけど)

 

変わり者で無愛想で天才肌の芸人神谷を桐谷健太が演じてたけど、こちらに関してはなんか違和感があった。

桐谷健太は好きだけど、いや好きだからこそauの浦ちゃんのような“いい人”キャラが定着しすぎて神谷がしっくりこない。

2人の会話のやり取りはテンポ良くて小気味よさがあったけど、なんか最後までしっくりこない感が拭えなかった。

 

あと気になったのは、真樹役の木村文乃にあんなにまったりゆったりあほっぽくしゃべらせる必要があったのだろうか?という疑問。

 

でも、総じて見ごたえのあるいい映画でした。ほんとだよ。

最後に流れたこの曲もジーンときてまた泣けた。

 

もう原作を買ってまで読むことはないと思っていたら、ちょうどいいタイミングで2015年芥川賞受賞作品『火花』と『スクラップ・アンド・ビルド』が全文掲載されている文藝春秋を10円で入手することができたので読んでみた。(大学図書館のリユースセール)

 

驚いた。

又吉の文章がこんなに読みやすくておもしろいなんて驚いた。

すらすらサラサラとんとんと読める。『火花』を読んだあとは自分の文章もいつもよりすらすら書けるくらい。

 

あと、監督板尾がすごく原作に忠実に作ってたんだなという点も驚いた。ぶっとんだ人なのでもっとオリジナル解釈になってるかと思ったら、又吉の原作を大事にしてた。

 

衝撃のラストネタは原作ではどうなってるのかと思ったけど、こちらも原作通り。

このとんでもないオチが評価されているらしい。

 (コミック版もあり)

又吉の文章がこんなにいいなら二作目の『劇場』も読んでみたいな。私の読まない恋愛小説だけど、文章の良さで読めそう。

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